「天然の食用色素ってどんな種類があるのかな?特徴や用途についても知りたい」
素材の特性を利用して食材に鮮やかな色をつける天然の食用色素。
天然の食用色素ってどんな種類があるのか気になりますよね。
天然の食用色素の特徴って何?
天然の食用色素の用途は?
など、知りたいことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「天然の食用色素はどんな種類があるのか」や「天然の食用色素の特徴」について、ご紹介します。
また、「天然の食用色素の用途」についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください!
天然の食用色素の種類
天然の食用色素は素材によって様々な種類があります。
ここでは天然の食用色素について、それぞれの特徴や用途も合わせてご紹介します。
それでは、さっそく見ていきましょう。
アカキャベツ色素
アカキャベツ色素の特徴は、赤キャベツの葉っぱから抽出され、主な色素はアントシアニンということです。
酸性で赤紫色、中性で紫や紫青色、アルカリ性で暗い緑色というように、pHが変わると変色します。
用途は、比較的、耐熱や耐光性に優れているので、お弁当に入れる大根の桜漬や、紅しょうがや甘酢しょうがなどの漬物、飲料やお菓子などの着色です。
チョコレートやあんこ、ホイップクリームなどの着色も用途として挙げられます。
イカスミ色素
イカスミ色素は、コウイカ科のモンゴウイカなどの墨袋の内容物を原料として、弱酸性含水エタノールなどで洗浄して乾燥しているという特徴があります。
水に分散して黒や青黒い色でイカスミ特有の匂いがします。
イカスミはイカが外敵から身を守るために使われ、粘性があるのも特徴。
粘性はアミノ酸によるもので、このうまみ成分を利用してお菓子やパスタのソースに利用されています。
用途は、パスタやお菓子、ゼリーなどの着色です。
ウコン色素
ウコン色素は、ウコンの根茎から抽出した黄色い色素で、主成分がクルクミンという特徴があります。
食材を染めやすいですが、光によって劣化しやすいです。
色合いは、酸性から中性の間で鮮明な黄色で、中性からアルカリ性で赤みを帯びた黄色になって安定性が低下します。
pHや熱には安定していますが、耐光性がやや低いので、透明な包材を使った食品には不向きです。
用途は、カレースナックなどのスナック菓子、かまぼこなどの水産加工品、和菓子やグミなどの着色になっています。
カカオ色素
カカオ色素の特徴は、カカオ豆を発酵してあぶり焼いてから抽出したチョコレート色の色素で、主成分がアントシアニンということです。
水やアルコールなどに溶け、食材を染めやすく、耐熱や耐光性が良いという特徴もあります。
茶褐色の水溶性の色素で、油脂には溶けません。
タンパク質に染まりやすいので、用途は、ハムやソーセージなどの水産加工品、キャンディーやゼリーなどのお菓子などの着色です。
カロテン色素
カロテン色素は、オオヒゲマワリ科デュナリエラから抽出されたもので、主成分はβ-カロテンという特徴があります。
水によく溶けて鮮やかな暖色系の黄色というのも特徴です。
色素として油に溶けますが水には溶けません。
熱には安定しますが、光や酸化に弱く色が劣化しやすいので、酸化防止剤を加えて安定性を向上させています。
素材に染まりにくいです。
用途は、プリンやジャムなどのお菓子類、チーズやマーガリンのような加工食品などの着色になっています。
クロロフィル色素
クロロフィル色素の特徴は、食用緑色植物から抽出した色素で、主成分が葉緑素であるクロロフィルということです。
油脂に溶けて水には溶けない油状と、水分散タイプがあります。
熱や光に弱いです。
クロロフィルは、植物の葉の成分なのでありふれていますが、商業的で安定的に効率的に得ようとすると、ほうれん草やクロレラなどに限られます。
用途は、ヨモギ餅といわれる草餅だけでなく、チョコレートやゼリーなどのお菓子などの着色です。
クチナシ青色素
クチナシ青色素は、クチナシ果実の抽出物に酵素を加えて得られた青色の色素という特徴があります。
水に溶けて青色、pHの変化によって色調が変わらないという特徴もあるのです。
使いやすい色素ですが、世界的には知名度が低く海外でクチナシ青色素を使用できる国は中国や台湾、香港などに限られています。
クチナシの果汁が皮膚につくと青紫色になるので、入れ墨の色素として使われたりしていました。
用途は、あんこやチョコレートなどのお菓子だけでなく、かまぼこやパンの着色です。
シソ色素
シソ色素の特徴は、シソの葉から抽出され、主な色素はシソニンやマロニルシソニンということです。
酸性で赤紫色、中性で赤褐色、アルカリ性で汚緑色に変化する特徴もあります。
耐熱性や耐光性は良好。
シソは栄養価が豊富で、カロテンやビタミンB2などの含有量が野菜の中でも多いです。
そして、日本でも香味野菜として知られていて、ゆかりのふりかけや梅干しなどで使用されています。
用途は、漬物やドレッシングだけでなく、クッキーや蒸しパンの着色です。
タマリンド色素
タマリンド色素は、マメ科のタマリンドの種子から得られ、主成分はフラボノイドという特徴があります。
耐熱性や耐光性に優れており、pHでの変化も少ないです。
高さが20m以上もある常緑植物のタマリンドの実から得られるのがタマリンド色素です。
タマリンドの原産地はアフリカで、東南アジアやインド、中南米アメリカなど、熱帯や亜熱帯地方で栽培されています。
用途は、ハムやソーセージなどの水産加工品やお菓子などの着色です。
トウガラシ色素
トウガラシ色素の特徴は、ナス科の植物のパプリカと呼ばれるトウガラシの果実から抽出した植物油溶液ということです。
色は、橙黄色や橙赤色になっています。
天然の食用色素の中では、比較的国際的にも知名度が高くなっており、使用できる国も多いです。
比較的耐熱性が強いですが、耐光性はあまり強くないのがトウガラシ色素。
油に溶けやすく油脂とのなじみが良いので、チリソースやマーガリンなどの油脂食品、キムチや漬物などの着色に使用されています。
トマト色素
トマト色素は、トマトの果実から得られたリコピンを主成分とするものという特徴があります。
色は、褐色か暗い赤色です。
リコピンはニンジンやスイカなどにも含まれていますが、野菜の中ではトマトが最も多く含まれています。
水に溶けにくく、耐熱性が高いのも特徴です。
pHの影響などを受けずに火にかけても鮮明なトマトのような赤色のままなので、スープやソースなどの加熱料理にも活用可能。
用途は、トマトジュースや野菜ジュースなどの飲料や、お菓子などの着色です。
ブドウ果皮色素
ブドウ果皮色素の特徴は、アメリカブドウやブドウの果皮から得られたアントシアニンを主成分とすること。
酸性で赤色、中性で赤や暗い赤色、アルカリ性で暗い赤紫色や青紫色になります。
ブドウ果皮色素は、海外でも広く使用されている色素。
アントシアニンの色調はワインとして長年保管して熟成したものでも赤紫色の色調が保たれます。
用途は、ワインなどの飲料や、シロップやジャムなどの着色です。
ベニコウジ色素
ベニコウジ色素は、紅麹菌から抽出され、主成分はモナスコルブリンなどという特徴があります。
色は、橙赤や赤色です。
食材を染めやすいですが、耐光性がやや劣っていることや、酸性で沈殿を生じるという特徴もあります。
麹菌は、古くから日本酒やみそ、しょうゆや焼酎など、日本の発酵文化に欠かせない素材として使われてきました。
用途は、ハムやソーセージなどの加工品、たれやケチャップ、たらこや冷菜などの着色です。
ベニバナ黄色素
ベニバナ黄色素の特徴は、べニバナというキク科の植物から抽出され、主色素はサフラーイエロー類ということです。
耐熱性や耐光性に優れています。
色は、レモン系のスッキリした黄色です。
耐光性が良くて色がレモン系であるので、飲料に良く使用されています。
またクチナシ青色素など、青系の色素と合わせると緑色の色素としても使用可能。
用途は、冷菓やお菓子、中華麺などの着色です。
ムラサキイモ色素
ムラサキイモ色素は、サツマイモから得られ、主成分がシアニジンアシルグルコシドやペオニジンアシルグルコシドという特徴があります。
ムラサキサツマイモの知名度や健康に対する意識の高まりなどを受けて、使っていることをアピールした食品も多くみられるようになりました。
ペースト状やパウダーにして、キャラメルやチップスなどのお菓子や、野菜飲料やジュース、アルコール飲料などに使われています。
用途は、蒸しパンやチュロス、かまぼこやまんじゅうなどの着色です。
まとめ
今回は、「天然の食用色素はどんな種類があるのか」や「天然の食用色素の特徴や用途」について、ご紹介してきました。
天然の食用色素は、様々な素材からつくられています。
天然の素材からつくっているので、安心といえるでしょう。
天然の食用色素の原料は、動植物から抽出されるので、「なんとなく体に悪影響がなさそう」と思っている人が多いでしょう。
ですが、水につけるだけで抽出できる原料もありますが、短時間に濃い色素を抽出したい場合は、薬品や溶剤を使用します。
そもそも、天然の食用色素は、淡くて渋い色になりやすいというデメリットがあるのです。
一方、シェフマスターの食用色素は、アメリカの食品認証最高峰であるFDAの認証を獲得している世界的な色素。
家庭で様々な食品に鮮やかな色をつけることができます。
料理やお菓子などをつくる際に、食用色素を活用したいという人は、シェフマスターの食用色素をぜひ試してしてみてください。